制御性T細胞がアトピー改善に無関係だと断言できる根拠とは!?

制御性T細胞がアトピー改善に無関係だと断言できる根拠とは!? アトピー 原因
制御性T細胞がアトピー改善に無関係だと断言できる根拠とは!?

トシです。

制御性T細胞をご存知ですか?

アトピー改善について情報収集している人であれば知っている方も多いワードです。

制御性T細胞や酪酸菌、クロストリジウム菌がアトピー改善に繋がるという考え方があります。

僕も過去に記事としてまとめました。

今現在の考えを正直に言うと、、、

制御性T細胞ではアトピーは治せない

と考えています。

なぜなら科学が進み制御性T細胞の全貌が明らかになったから。

今回は制御性T細胞や酪酸菌、クロストリジウム菌がアトピーに効果的とされる理由や制御性T細胞がアトピー改善に繋がらないと考える根拠。

最後にアトピー改善のために今日からやるべきことをお伝えします。

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制御性T細胞がアトピー改善に無関係だと断言できる根拠とは!?

制御性T細胞がアトピー改善に無関係だと断言できる根拠とは!?

制御性T細胞を活性化させたとしてもアトピーは解決しません。

なぜなら

制御する領域がアトピーとは無関係

だから。

この説明をするためには前提知識がいくつか必要になるのでサラッとその辺りについて解説します。

制御性T細胞がアトピー改善に有効とされている理由

制御性T細胞とアトピー改善の説明をするためには、

  • 2つのT細胞バランス
  • 制御性T細胞とは何か?
  • クロストリジウム菌

の3つについて軽く触れる必要があります。

2つのT細胞バランス

免疫学ではアレルギー患者が増えている理由は『衛生仮説』が有力となりつつあります。

これは簡単に言えば、

清潔すぎる環境だと免疫が暴走してアレルギーが出やすい。

というものです。

「どうして清潔だと免疫が暴走するの?」

と思うかもしれません。

確かに汚いよりも除菌された綺麗な空間の方がいいですよね。

ただ、それは人間の価値観であって体からすると清潔すぎる環境は不自然であって気持ち悪い環境でもあります。

そもそも免疫を担当している細胞のことをT細胞と言います。

T細胞はTh1とTh2の2種類に分類されます。

Th1は主にウイルスや細菌を駆除する役割。

Th2は主に花粉やカビ、ダニなどを駆除する役割。

2つの細胞はシーソーのようにバランスを保っている状態です。

どちらか一方が多すぎると免疫系の病気へと発展します。

例えば、

Th1が過剰だと

  • ​糖尿病
  • クローン病
  • 乾癬
  • 関節リウマチ
  • 慢性ウイルス感染症

Th2が過剰だと

  • アトピー性皮膚炎
  • 炎症性腸疾患
  • 喘息
  • アレルギー
  • ガン

になりやすいとされています。

先進国のように清潔な環境(特に日本)では極端にウイルスや細菌が除菌されています。

こうした環境ではウイルス担当のTh1があまり機能しません。その結果、シーソーのバランスはTh2の方へ傾きます。

だから先進国にはアトピーなどのアレルギー症状が増えているという考え方です。

制御性T細胞とは何か?

T細胞のバランスが崩れることで免疫異常が起こる。

どうすればこのバランスを適正にできるのか?

こうした考えから研究が進み明らかになったのが制御性T細胞の存在。

この細胞はT細胞の過剰な働きを抑制します。

つまり制御性T細胞が活動すれば免疫系の病気を克服することに繋がるということ。

クロストリジウム菌

さて前提知識3つ目はクロストリジウム菌。この菌は腸内細菌の一種です。

クロストリジウム菌は酪酸と呼ばれる成分を分泌することが分かっています。

実はこの酪酸こそが制御性T細胞を活発化させる成分。

だからアトピーについて情報収集していると「酪酸菌のサプリがいいよ〜」と言った情報が目に付くというわけです。

制御性T細胞が活動する領域

制御性T細胞は確かにT細胞の働きを制御します。

ただし、それではアトピーは改善しないでしょう。

なぜなら制御する領域がアトピーの炎症とは無関係だからです。

制御性T細胞はIL-2を抑制する

かなり専門的な分野なのでサラッとお話しするとT細胞はインターロイキン(IL)と呼ばれる信号を発しています。

信号の種類によって細胞の活動内容は大きく異なります。

制御性T細胞はインターロインキンをブロックすることで活動を制限してくれています。

具体的にはIL-2という信号を遮断しています。

これは制御性T細胞の解明に大きく貢献された日本の免疫学者である坂口 志文さんの著書『免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか』でも解説されています。

アトピー 制御性T細胞 嘘

アトピーに関与している信号

デュピクセントなどの新薬はインターロイキンを薬で強制的に抑制することでアトピーの炎症を防いでいます。

ブロックしている信号はIL-4、IL-13の2つ。

アトピー ステップ2 T細胞が感知&炎症信号の分泌

つまり

アトピーに関わっている炎症信号と制御性T細胞が関わっている領域は別物

ということになります。

こうした理由から制御性T細胞とアトピー改善は関係がないと考えます。

どうすればTh1とTh2のバランスを整えられるのか?

アトピー どうすればTh1とTh2のバランスを整えられるのか?

アトピーが出ているということは免疫学の観点から見るとTh2優位の状態です。

バランスの崩れが病気を引き起こしているので、Th1を活性化させれば問題は解決すると期待できます。

となるとTh1をいかに活性化させられるか。

Th1は細菌を駆除する機能なので適度に細菌と触れる環境(例えば自然の中で暮らす)が理想的です。

海外でアトピーが改善する理由を過去に記事にまとめたのですが、記事に書いたこと以外で要因を挙げるなら間違いなく細菌との触れ合いかなと。

シャワーは除菌されていませんし日本よりも潔癖ではありません。

こうした環境の変化以外でやれることは食事。

実は食材の中にはTh1を高める作用がある物が存在します。

例えば、

  • エキナセア
  • キノコ
  • 甘草
  • レモンバーム
  • クロレラ
  • ブドウ種子エキス

などハーブ系が多い印象です。

身近な食材としてはキノコでしょう。

キノコに含まれているβ-グルカンという成分は体内に入ると、体は「細菌に汚染された!」と認識します。

その結果、細菌駆除を担当しているTh1が働くという原理。

β-グルカンはキノコの中でも特にシイタケとマイタケに多く含まれています。

近所のスーパーに行けばどちらも手に入るので積極的に食べることをオススメします。

まとめ

制御性T細胞の発見は科学の偉大な進歩だと言えます。

ただ、アトピーの仕組みを考えると制御性T細胞を高めても肌はキレイにならないでしょう。

Th1を適度に働かせる方がよっぽど効果ができます。

細菌と触れ合う機会を増やすことがポイントとなるので海水浴や森林浴など自然の中でアクティビティが行える場合は積極的に行うことをオススメします。

とはいえ体が大変でそれどころではない場合もあるでしょう。

そういった時はキノコを食べて下さい。

シイタケやマイタケは適度にTh1を活性化させます。

今回お伝えした内容は免疫細胞(T細胞)から見たアトピー治療のアプローチとなります。薬で言うとデュピクセントなどの新薬がこの考えを応用しています。

アトピーの薬でお馴染みのステロイドはマスト細胞という部分で働いています。そちらに関してはオメガ3で同じことが可能です。

ぜひステロイドの観点からもアトピー治療を試してみて下さい。

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