トシです。
アレルギーは肌から侵入すると起こります。
アレルギーと聞くと特定の食べ物を口にして起こるものだというイメージが強い。
しかし最近の研究では口から侵入した成分よりも肌から入ってきた成分の方がアレルギーになりやすいことが分かってきました。
今回は侵入経路の違いによるアレルギー反応とアレルギー発送リスクを減らす対策方法、そしてアレルギー治療に解説していきます。
目次
【衝撃の真実】アレルギー症状は肌から侵入した成分が8割!?
『舌下(ぜっか)免疫療法』をご存知ですか?
これは舌にアレルゲンを少量つけて飲み込むことで、徐々にアレルゲンへの抗体を作る治療法です。
今のところスギ花粉症とダニのみ治療が行える状況ではありますが、根本的にアレルギーを解決できる治療法として確立されています。
ひと昔前では「アレルゲンは避けるもの」とされていました。
そこから研究は進みアレルゲンを適度に摂取することで体に抗体が作られることが分かってきたのです。
腸に備わっている独自の免疫システム『パイエル板』とは!?
この新しいアレルギー治療のきっかけとなったのは腸に備わる免疫システムの全貌が明らかなったからです。
腸は免疫の70%を占めていると言われるほど大切な器官です。
腸の表面というのは人間の体毛のように絨毛と呼ばれるものがビッシリと張り巡らされています。
この絨毛により栄養分をキャッチしたりウイルスや細菌も免疫細胞へと引き渡してくれています。
ところが顕微鏡でよく観察してみると十円ハゲのように絨毛がない箇所が存在します。
この部分を『パイエル板』と言います。
実はこの場所は抗体を作る訓練場なのです。
どういうことかと言うと、
体に侵入する成分に対して毎回のようにアレルギー反応を起こすよりも抗体を作り、いち早く駆除した方が炎症が起こらず安全です。
腸にあるパイエル板から少量だけアレルゲンを体内に入れることで、安全に抗体を作ることが可能なのです。
つまり口から入ってくるアレルゲンに対しては、回数を重ねるごとに抗体が作られやすくなり、アレルギー症状が出にくくなると言うこと。
肌から侵入した成分はアレルゲンとなりやすい
問題とされているのは口より肌から侵入した成分。
肌はバリア機能があるため基本的に外部の成分が内部に入り込みにくい構造となっています。
ただ何らかの理由で肌のバリア機能が弱まっていると容易に外から侵入を許してしまいます。
肌は腸とは違いパイエル板のようなアレルゲンを学習する組織がありません。
そのため侵入する度にアレルギー症状が起こりやすいのです。
職人が漆かぶれにならない理由
日本の伝統工芸に漆器があります。これは器に漆を塗った物のこと。
昔から漆が肌につくとかぶれて炎症が出ると有名です。
漆にはウルシオールという成分が含まれているのですが、これがかぶれの原因となっています。
ただ漆職人は肌がかぶれない人が多いです。なぜなのでしょうか?
理由としては漆に抗体があるから。
日本では
新人は漆を舐めて重度のかぶれを生じさせ抗体を作る
という伝統があります。
こうすることで腸のパイエル板からウルシオールが体内に入り込み体内で抗体を作り出します。
なぜアトピーは治りにくいのか?
こうした背景を踏まえてアトピー治療を考えてみましょう。
アトピーは現代医療でも完治が難しいとされています。
なぜならアレルゲンが多いから。
肌を掻くことでバリア機能が低下します。
その状態だと日常生活で触れる様々な成分が肌から体内に侵入することとなります。
先ほどお伝えしたように口から侵入する分には抗体が作れるので問題ありません。
しかし肌から侵入してしまうと都度アレルギー症状が出てしまい何年経ってもアレルギーに苦しむことになります。
肌を掻くごとに新たなアレルゲンが侵入する確率が上がるためアトピーは治しにくいのだと言えます。
肌のバリア機能が整えばアレルギーは出にくい
とはいえ、肌にはもともとバリア機能が備わっています。
つまり肌の炎症が出ていない状態をキープすることができればバリア機能は回復していきます。
バリア機能さえ正常に戻れば、アレルゲンが肌から体内に侵入することは難しくなります。
そうなってしまえば気にするほどのアレルギー症状は起こらないでしょう。
アレルギーの根本治療は理屈上は可能
「漆を少量なめるみたいにアレルギーを根本から解決した方がいいのでは?」
という意見もあるかと思います。
ただ、
- アレルゲンの入手が困難なこと
- 安全ではないこと
の2つの理由でオススメできません。
アレルゲンの入手が困難なこと
まず単純にアレルゲンの入手が大変です。
例えば、アトピー持ちの80%は汗にアレルギーがあるとされています。
厳密には皮膚に生息している細菌が出すカビが、汗によって溶けて内部に入り込むことでアレルギーが起こっています。
この場合、カビが原因なのでカビを入手しなくてはなりません。
医療機関であればまだしも一般人がそのようなことは行えません。
汗以外にも微量な化学物質など特定できないものが多数ある可能性が高いです。
一般人が自分で治療をするにはハードルが高すぎます。
安全ではないこと
仮にアレルゲンを入手できた場合、少量だけ口から体内に入れる行為を継続することとなります。
量を間違えるとアレルギー反応で全身が痒くなりますし、量が少なければ抗体が作られません。
医療機関であれば科学的に分析しながら治療ができますが、一般人が自己流で行なってしまうと重いアレルギー反応が出てしまう危険性もあるので止めた方がいいでしょう。
肌のバリア機能を最速で正常に戻す方法
理屈上はアレルギーの根本治療は可能です。
漆職人と同じようにアレルゲンを食べて抗体を作るという方法で。
ただ現実的ではありません。
誰もが行える方法としては、まずは肌のバリア機能を正常に戻すこと。
バリア機能さえ正常ならアレルゲンも容易に侵入できません。入ってきたとしても極少量のため重いアレルギー症状とはなりにくいでしょう。
「でも痒みを我慢するなんて無理です」
と感じる人が大半かと思います。
根本的なアトピー体質の改善で痒みはかなり軽減されるかと思いますが、
やはりバリア機能を1日で早く戻すためにはステロイドの力を借りる方が良いです。
何かと怖がられるステロイドですが正しく利用することで大きな味方となります。
炎症が続いている状態は新たなアレルゲンが作られる状態でもあります。
アトピーが治りにくい状態にする主原因なので、根本治療と同時並行でステロイドを使い肌の炎症をすぐに改善させましょう。
また保湿も重要です。
保湿をすることで肌に膜が作られます。こうすることで外部から肌を守ることができます。
ただ保湿剤の種類によっては熱がこもり痒みを促進させる恐れがあります。
個人的にベトっとしたタイプは避けてサラッとしたローションタイプの方が使いやすいと経験上分かります。
長く愛用しているローションタイプのワセリンは使いやすくオススメです。
まとめ
長年アトピーの方は複数のアレルゲンが絡み合い炎症が繰り返し起こっています。
根本的に治療することは理屈上は可能ですが一般人にはハードルが高すぎます。
誰もが行える方法としてはバリア機能を正常に戻しアレルゲンが体内に入りにくいようにすること。
そのためには根本治療と同時並行でステロイドの力を借りることも大切。
ステロイドだけをダラダラと塗り続けることは良くありませんが、しっかりと目的を持って期間限定で使う分には僕は肯定的です。
肌の炎症が続いている状態は新たなアレルギーが出る危険性があります。まずは炎症を抑えること。
それが治療において何よりも重要なことです。
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