トシです。
どうしてステロイド薬は赤く炎症した肌に効果があるのでしょうか?
「そう言われてみればどうしてなんだろう??」と思いませんか?
実はステロイドがどうして炎症に効果があるのかを知ることで、なぜ体は炎症を起こしているのか、どうすれば炎症を起こさないで綺麗な肌で日常生活を過ごせるのかが分かります。
今回はこれまで知らなかったステロイドの謎について解説します。
目次
【誰も知らない真実】なぜステロイドはアトピーの炎症に効くのか??
ステロイドがどうしてアトピーの炎症に効くのか?
それは、『特定の成分』の生成を阻害するからです。
どういうことかと言うと、体内で炎症の元になっている成分があり、それをステロイドが阻害してくれるから、炎症がおさまると言うわけです。
よくステロイド薬のことを火事の時の消防士に例えられます。
これは本当にその通りです。体内で起こっている火事を鎮火させる消防士がステロイドと言うわけです。
ステロイドは副腎で作られる天然ホルモン
そもそもステロイドというのは、ホルモンの名前です。
僕たちの体内には副腎という臓器があります。
腎臓と同じく2つあり、大きさは3~4㎝です。
この臓器から分泌される炎症抑制ホルモンが『ステロイドホルモン』です。
ステロイドホルモンの働き
ステロイドホルモンは炎症を抑える特性があります。
具体的にどのような流れで炎症を鎮めるのか見ていきましょう。
少し専門的な用語になってしまいますが、体内で起こる炎症は
- ロイコトリエン
- プロスタグランジン
この2つの成分によって起こります。
この成分が体内に沢山あると、あらゆる成分に敏感に反応してしまいます。
具体的には、
- ダニ
- ホコリ
- 花粉
- 食べ物
などです。
ステロイドホルモンは体の炎症を鎮めるために、ロイコトリエンとプロスタグランジンを作り出すアラキドン酸という成分を抑制します。
引用元:くすりと健康の情報局
元なる成分が抑制されることで、炎症成分であるロイコトリエンとプロスタグランジンが作られなくなり炎症が止まるという理屈ですね。
RPGゲームで言えば、冒険を始める前に魔王を消しておくイメージです。魔王が居なくなればザコ敵は生まれないので世界は平和です。(ゲームとしては何も面白くありませんが)
どうしてステロイド薬を使わないといけないのか?
ここで一つ疑問が残ります。
それは、「どうしてわざわざ薬からステロイドを使うのか?」ということです。
元々体に備わっている抑制機能を使えば、薬に頼らなくても炎症を抑えられるはず。
ですが現実は違いますよね。多くのアトピー患者が塗り薬や飲み薬、注射を血管にブスッと刺してまでステロイドを外部から入れています。
答えは、
体内のステロイドでは処理しきれない量だから
です。
炎症物質を生み出す親玉であるアラキドン酸が異常発生しているのです。
なので体の処理能力がオーバーしてしまい炎症が止まらない状況というわけ。
魔王を倒してゲームクリアかと思ったら魔王の子供が何百人もいるような感覚です。(ゴキブリみたいですね)
なぜアラキドン酸が異常発生しているのか?
では、どうして体内では処理できないほど炎症物質の生みの親であるアラキドン酸が大量発生しているのでしょうか?
それは、油の摂りすぎだから。
現代人はリノール酸の摂りすぎだと言われています。
リノール酸というのは、ごま油やサラダ油、米油など近所のスーパーの調味料コーナーの棚に陳列されているほとんどの油だと思ってください。
こうした油というのは、本来は食べ物に含まれている脂質から少量摂取する物です。ですが現代社会では油そのものを抽出して販売しています。
油を少量使っているつもりでも、食べもの換算で考えると大量の食べ物を口にしないと摂取できないような油の量を簡単に摂取できる環境です。
さらにリノール酸というのは、加工食品に必ず言っていいほど使われています。一度お菓子や菓子パンの原材料名を見てください。
『植物性植物油脂』
と書かれていませんか?
これはリノール酸のことです。
こう考えると、油を使った炒め物の料理に浸かる油とお菓子などに使われる油によって無意識に大量のリノール酸が体に入りやすい環境だと分かります。
「でもリノール酸は必須脂肪酸ですよね?」という疑問もあると思います。
おっしゃる通り、リノール酸は体内で合成できないので必須脂肪酸と呼ばれていて健康維持に欠かせない大切な油です。
ですが、リノール酸は体内に入った後、アラキドン酸に変化するのです。
少量であれば、副腎から分泌されるステロイドホルモンで十分に対処できますが、大量に摂取してしまうと薬の力を使わないと炎症を抑えることができません。
薬に頼らずに体の力のみで炎症を抑えるには、リノール酸を減らすことは必須となります。
ステロイドよりも強力なオメガ3
油の関係については以前にもブログでまとめているので、こちらを参考にしてください。
リノール酸の炎症を抑える救世主とされているのが、オメガ3です。
オメガ3は青魚や野菜、クルミなどに多く含まれている油です。
この油はリノール酸がリン脂質になる過程をブロックするだけでなく、アラキドン酸がロイコトリエンとプロスタグランジンになる過程もブロックしてくれます。
(ステロイドはアラキドン酸の抑制だけしか働かない)
「横文字ばかりで難しい…」と感じるかと思うので、イメージとしては自転車の施錠を想像してください。
一つの鍵だけの施錠よりも二重ロックをしたほうが自転車の盗難率は激減します。
それと同じでステロイドは一つだけの施錠なのに対して、オメガ3は二重ロックで炎症をブロックしてくれます。
炎症を抑えるという点で考えると、アトピーの人がお守りのようにしているステロイド薬よりも実はオメガ3の方が強力な効果を発揮してくれるということです。
リノール酸と減らしつつオメガ3を増やすことが大切
こうしてステロイドがどうして炎症を抑えるのかを理解すると、自然とアトピーの解決法が見えてきます。
それは、
- 炎症物質の権化リノール酸を減らすこと
- オメガ3を積極的にとること
この2点です。
炎症物質の権化リノール酸を減らすこと
現代社会はいろいろな食べ物にリノール酸が含まれています。
「こんな環境だと油を制限するなんて無理なのでは?」
と思うかもしれませんが大丈夫です。
まず炒め物など油を使う調理はオリーブオイルを使いましょう。
オリーブオイルはリノール酸ではないので、炎症を作り出す心配はありません。近所のスーパーに行けば必ず売っているはず。
油は酸化していないことが大切です。オリーブオイルの中でもエキストラバージンというタイプであれば鮮度が保たれているので安心です。
値段もピンキリなので、こだわってしまうと大きな出費となります。
個人的には日清オイリオのエキストラバージンオリーブオイルが価格も手頃な方で味もよくおすすめです。
また、アトピーが出ているということは体内のリノール酸が多い状態です。
こうした状態の時は大変かもしれませんがお菓子は禁止にしてください。
バランスの問題なので今後一切食べてはいけないというわけではありません。
ですが今の状態から一日でも早く脱却するためには、お菓子に含まれている植物性植物油脂は避けた方がいいです。
オメガ3を積極的にとること
オメガ3が豊富な食材は青魚です。
- サバ
- アジ
- さんま
などが特に豊富です。
マグロにも含まれていますが大型の魚は水銀などの汚染物を食べている可能性が高いので避けてください。
「調理や骨が面倒で…」という場合は缶詰がおすすめ。
これなら缶を開ければそのまま食べられます。
「魚の味がどうしても無理…」ということであれば、サプリメントを摂りましょう。
オメガ3のサプリメントは近くの薬局やネットでも簡単に手に入ります。ただオメガ3は酸化しやすい油なので、サプリメントの品質が悪いと酸化した油をとることになります。
なので、理想は魚から摂ることですが、どうしても難しくてサプリメントの品質にも気をつけたいという場合はクリルオイルがおすすめです。
クリルオイルとは南極に住む動物性プランクトンであるクリルから抽出された油です。この油の中にオメガ3が含まれているのですが酸化しにくいというメリットがあリます。
魚以外にもオメガ3は野菜やクルミに含まれています。
ただ、含有量は魚が圧倒的に多いです。
リノール酸の摂取量が正常になったタイミングであれば、野菜だけでも問題ありませんが、リノール酸が多い今の状態であれば、魚をメインにオメガ3を摂るといいです。
まとめ
今回の内容を簡単にまとめると、
・ステロイドが炎症を抑える理由は炎症の元であるアラキドン酸をブロックしてくれるから。
・現代人はリノール酸の摂りすぎで薬の力を借りないと対処できない状態にある。
・オメガ3は炎症を二重でブロックしてくれる。
・リノール酸を減らしつつオメガ3を増やすことでアトピー体質を克服することが可能。
「参考になった!」という方は
こちら↓をクリックして下さい。
コメント