トシです。
脱保湿でアトピーが良くなる。
そう聞いたことはありませんか?
脱保湿。つまり保湿をしないという治療法。
今回は脱保湿がなぜアトピーに有効だと言われているのか?どうすれば保湿をしながらアトピーを改善できるのか解説していきます。
目次
なぜ脱保湿でアトピーが改善するのか?本質は汗アレルギーにある!?
脱保湿をする目的は汗アレルギーの緩和です。
未だに、なぜ脱保湿が効果があるのかは不明とされています。
ただ体の仕組みを考えると
脱保湿がアトピーに効果があるとすれば汗アレルギー以外にない
というのが現時点での見解となります。
詳しい説明の前にまずは脱保湿の意味について少しだけ触れたいと思います。
そもそも脱保湿とは?
脱保湿とは言葉の通り「保湿をしない」ことを意味します。
保湿をしないと言うと、
「保湿剤をつけないということですか?」
とイメージするかと思います。
もちろんその通りです。
ただそれ以外にも以下の方法も行います。
- 入浴しない
- 化粧をしない
- 水分制限
- 布団に長時間いない
- 厚着をしない
人によりどこまでが脱保湿なのかの線引きは異なります。
なので保湿剤のみを止める人もいますし入浴しない人もいます。
脱保湿療法の起源
そもそも脱保湿という常識を逸脱した治療法はどのようにして広がったのでしょうか?
諸説ありますが1996年に名古屋市立大学医学部皮膚科助教授の佐藤健二先生が発表した「重症成人型アトピー性皮膚炎患者のステロイド外用剤離脱」が要因と考えられます。
発表されたデータの中にこのような記述があります。
8.保湿剤が有害となる!
保湿剤はアトピー性皮膚炎の治療に有効であり、ステロイド中止後に離脱症状を軽くする働きがあります。しかし、「4.脱ステロイド療法の平均的経過」で述べたように、ステロイド中止後の症状が軽くなった時期には保湿剤は皮膚に悪い影響を及ぼします(このことはほとんどの皮膚科医が気付いていませんのでここで特に強調したいことです)。この時期に残っている紅斑(こうはん:赤み)など皮膚の症状をよくするためには、保湿ではなく乾燥が必要です。この時期には、ワセリン・アズノール軟膏・種々のクリーム・化粧水・馬油・オリーブオイルなどほとんどすべての油(石鹸で洗わない場合は自分の皮膚の油でも)は、赤みなどを持続させるように働きます。つまり、保湿剤が良い作用をするかどうかはステロイドを使用してこなかった場合と使用してきた場合とでは違うということを理解しなければなりません。脱ステロイド療法が成功し皮膚の症状が安定した後どれくらいの期間が経てばステロイドの影響が無くなって保湿剤を使用できるかという点については、まだ分かっていません。このような治療を始めてまだ日が浅いからです。女性の場合化粧ができるかどうか大変気になると思いますが、化粧も一種の保湿なので、脱ステロイド終了後少なくとも1年間は我慢していただいています。これが正しいかどうかは今後明らかになると思います。
佐藤先生は脱ステをしつつ脱保湿も行うことを推奨しています。
なぜ脱保湿がアトピーに有効なのかは『不明』
これまでアトピーについての研究は色々と行われてきました。とても素晴らしいことです。
ただ未だに現代医学はアトピーを根治できていません。
色々と分かっているようで何も分かっていないのが正直なところなのです。
脱保湿に関しても確かに肌の赤みが軽減したという事例はあります。
しかし、なぜそうなるのか?という部分に関しては誰も分かっていません。
脱保湿が本当に有効なのか?それとも無意味な苦行なのか?
誰も断言できないのが現状です。
脱保湿は汗アレルギーを緩和している可能性
個人的な見解にはなってしまうのですが脱保湿療法の本質は『汗アレルギーの緩和』にあると感じています。
アトピー患者の80%に汗アレルギーがあることはデータとして既に出ています。
汗アレルギーのメカニズムとしては、皮膚上に生息している細菌(誰の皮膚にも存在する)が出すカビが汗で溶けて内部に侵入することで痒みが起こっています。
つまり汗そのもので発症するわけではありません。
あくまで水分で溶け出したカビの成分(タンパク質)がアレルゲンとなります。
そう考えると脱保湿で行なっている行為
- 入浴しない
- 化粧をしない
- 水分制限
- 布団に長時間いない
- 厚着をしない
は全て水分をつけない。発さない。アプローチです。
その結果、汗で肌が荒れることが減るのでアトピーが改善するのは当然です。
科学的に解明されていない部分ではありますが個人的に脱保湿をする意味は汗アレルギーから遠ざけることにあると考えています。
脱保湿は苦行の極み…誰も継続できない
脱ステにも言えるのですが脱保湿を行うと日常生活が送れなくなります。
肌はかつてないほどボロボロガサガサとなります。少し体を動かすだけで関節部分に亀裂が入り赤い血が痛みと共に滲むでしょう。
仕事をすることはできず収入も途絶えます。肉体面だけでなく精神的な苦痛により自殺を考える人もいるしょう。
しっかりと改善するというデータに裏付けされた治療法であればまだしも、未だに解明されていない未完成の治療法です。
到底、人に勧められる代物ではありません。
誰もが行える4つの脱保湿療法を公開
ここまでの内容を踏まえると脱保湿を行うメリットは汗をかきにくくすることにあります。
汗が一定時間、肌に残ることで痒みが起こってしまう。
つまり一時的な保湿であれば問題ないと言えます。また、保湿剤に関しても種類を変えることで痒みを起こさせないことが可能です。
具体的には以下の4つを行なってください。
- 保湿剤はローションタイプに変更する
- 入浴は短めにするかシャワーのみにする
- 寝る前に水分を摂らない
- 寝具に気を付ける
保湿剤はローションタイプに変更する
まずは保湿剤。
保湿剤がベトッとした重たい質感だと熱がこもり痒みへと発展します。
そのためローションタイプのようなサラッとした質感のものに変更しましょう。
個人的に長く愛用しているのがローションタイプのワセリン。
傷がある時に使うと最初だけ若干ヒリヒリする感覚がありますが気になるレベルではありません。
保湿効果もそれなりにあります。何より熱がこもらないので痒くならないのが素晴らしい。
入浴は短めにするかシャワーのみにする
入浴は健康に効果的な習慣の一つ。
ただ汗アレルギーという視点から見ると温まりすぎる行為はNGです。
湯船に浸かる時間を10分程度にするかシャワーのみにするのが良いでしょう。
シャワーのみの場合であれば塩素除去できるシャワーヘッドにすることをオススメします。
肌のバリア機能が低下している状態だと塩素の刺激でも痒みに繋がります。
長く愛用しているシャワーヘッドはクリンスイ 浄水 シャワーヘッドです。
日本アトピー協会推薦の商品ですし一度購入すればカートリッジを取り替えるだけで半永久的に利用可能です。
カートリッジも2ヶ月持つので1ヶ月あたり数百円のコストで塩素除去が可能です。
使ってみると分かりますが水がかなり柔らかくなります。
髪の毛のパサつきにも効果があるのでオススメです。
寝る前に水分を摂らない
寝る前に水分を摂ってしまうと睡眠中の寝汗が増えます。
ただでさえ睡眠中は布団で熱がこもる環境です。
そんな状態で寝汗が増えると汗アレルギーで肌が痒くなります。
たまにお酒でアトピーが悪化するというケースを聞きますが、寝汗が増えることが原因の一つなのかなと考えています。
ストイックにする必要はありませんが適度な水分補給を意識しましょう。
寝具に気を付ける
寝具は気をつけた方がいいです。
もしこれまでお伝えしたことを守っていても寝具が悪いと全て水の泡となります。
寝具選びのポイントは「熱がこもらないかどうか」の一点のみです。
それでいて適度に温かくリーズナブルで季節を問わず使えるようなもの。
色々と探した結果、今はニトリの温度調整 掛け布団を愛用しています。
さすがに真夏だとニトリの肌布団がいいかなと思いますが、それ以外の季節なら温度調整 掛け布団のみで過ごせます。
この商品はニトリ独自の「温度調整わた」により暑いときは涼しく、寒い時は暖かくを実現しています。(素晴らしい!)
布団以外に活用しているアイテムとしては除湿シート。
汗をかきやすい状況というのは湿度が高い環境です。
寝ている間はどうしても布団内で湿度が上がります。これを適切に除去するアイテムが除湿シート。
これを布団の下に敷くだけで湿度を吸収してくれます。一度購入すれば週一くらいに天日干しすれば何度も使える優れものです。
除湿シートはどこのメーカーもそこまで大差ないと思っているのでニトリでもいいと思います。
個人的には西川の除湿シートを愛用していて気に入っています。
まとめ
世間一般的に言われる脱保湿療法は
入浴だめ!化粧だめ!保湿だめ!とダメダメだらけです。
その通りに実践できる人はほとんどいませんし改善するかどうかも不明です。
であるならば汗アレルギーという観点で脱保湿をした方がよっぽど再現性があるし効果が期待できます。
今回お伝えした汗アレルギー対策の脱保湿療法
- 保湿剤はローションタイプに変更する
- 入浴は短めにするかシャワーのみにする
- 寝る前に水分を摂らない
- 寝具に気を付ける
はどれも実践しやすいはずです。
根本的な体質改善には油を変える必要がありますが
汗アレルギー対策をするだけでも効果が実感できるはず。
個人相談も行なっているので是非活用してみてくださいね。
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