トシです。
Th1を意識的に刺激しましょう。
衛生仮説から見るとアトピーはTh2に傾いている状態。
その傾きを正常にするためにはTh1の比重を増やすこと。
Th1とTh2のバランスが均等になることで免疫異常はなくなりアトピーはきれいに無くなります。
今回はどうすればTh1を活性化させることができるのか解説します。
「Th1とかTh2って何のこと?」
という場合はこちらの記事をチェックして下さい。
目次
Th1を促進させる【LPS】って何なの?アトピー完治に必須の理由
Th1を意図的に刺激する成分は自然界にいくつか存在します。その中で段違いに強力な物が『LPS』です。
この成分を意識的に摂取することでTh1が刺激されます。
アトピーなどのアレルギー持ちの人はTh2に傾いています。
Th1を刺激することでバランスが安定し免疫異常は嘘のようになくなります。
LPSでアトピーが改善するメカニズムを説明するためには、LPSとは具体的にどういう成分なのかを知ってもらう必要があります。
少し専門的な内容になりますが大切な部分なので是非、読み飛ばさずに進めて下さい。
LPSは細胞のヒゲ
まずLPSという成分について簡単に解説します。
世の中に存在する細胞は大きく2種類に大別することが可能です。
一つはグラム陰性菌。もう一つがグラム陽性菌。
陰とか陽と表現されると陽の方が良いイメージがあるかと思いますが特にそういったことはありません。
これは単純に染色液に染まるのか染まらないのかの違いに過ぎません。
染色液に付けると染まるのがグラム陽性菌。染まらないものがグラム陰性菌です。
ちなみに「グラム」という単語は重さを測るgではなく、染色体に染まるかどうかの判別方法を発見したデンマークの細菌学者ハンス・グラム先生からとっています。
LPSという成分は「リポポリサッカライド」と言います。
この成分はグラム陰性菌のみが持っている物です。
グラム陰性菌の中には酢酸菌やザイモモナス菌、キサントモナス菌などの有益な菌がある一方で、大腸菌やサルモネラ菌、コレラ菌、歯周病菌などの害を及ぼす菌も存在します。
細胞の一番外側にはペプチドグルカンと呼ばれる層がありますが、グラム陰性菌だけは更に外側に膜が存在します。
この一番外側にある膜の表面に付いている毛のような成分がLPSです。
LPSをキャチすると病原体が入ってきたと誤解する
体の免疫機能を管理している細胞にマクロファージがいます。
この細胞はLPSのように一番外側に”ある”物質が存在しています。
それは『受容体』
この受容体は鍵穴のような存在です。
鍵穴にピタッと収まる成分をキャッチするとマクロファージは特定の成分を分泌します。
例えば、
扉ひとつひとつには違い鍵穴があります。特定の扉を開けるには専用の鍵が必要となります。
それと同じで特定の成分を分泌するためには専用の鍵が必要なのです。
マクロファージがLPSをキャッチするとIL-12(インターロイキン12)という成分を分泌します。
これはT細胞をTh1に変化させる成分です。
Th1への変化を促進させることでTh2過剰状態が解消されアトピーが消えてくれます。
「どうしてマクロファージはLPSをキャッチするとIL-12を分泌するの?」
と思われるかもしれません。
これは単純に体に害のある細菌が入ってきたと勘違いしているからです。
LPSを持っている細胞はグラム陰性菌に分類されます。
グラム陰性菌は有益な菌もいますが大腸菌やサルモネラ菌、コレラ菌といった害のある細菌も含まれています。
マクロファージはグラム陰性菌の特徴であるLPSをキャッチしたことで
「うわ!大腸菌が入ってきたかもしれない。ヤバい!」
と勘違いします。
その結果、細菌を駆除する役割であるTh1を増やし体内の危険な菌を退治するモードに入ります。(本当はそんな菌はどこにもいませんが)
本来であれば、こうした機能は数十年前までは正常に働いていました。
ですが、衛生面が整って快適な生活が送れるようになるにつれて細菌と触れ合う機会が減ってしまいました。
細菌と触れ合う。もっと言えばLPSをキャッチする回数が激減してしまいTh1の数は激減…
Th1が減ってしまうとTh2の比重が増えます。Th2はアレルゲンを除去する細胞なので、Th2が多すぎると無害な物にも反応してしまいアレルギー症状が出てしまうという流れです。
昔と違い衛生的で快適な環境だからこそ、意図的にマクロファージに細菌が入ってきたと誤解させる必要があるのです。
LPS以外の活性成分
マクロファージからIL-12を分泌させる成分はLPSだけではありません。
例えば、
- キノコに含まれているβ-グルカン
- 乳酸菌に含まれているペプチドグリカン
この2つもLPSと同様にマクロファージを活性化させます。
ただし、効果は低いです。
マウスによる実験で明らかになっていることですがβ-グルカンやペプチドグリカンでLPSと同等の効果を出すには1000~10000倍もの量が必要となります。
つまりLPSはβ-グルカンやペプチドグリカンの1000~10000倍もの効果があると言えます。
東京から大阪までの道のりを徒歩で行くより新幹線で行く方が何倍も速いのと同じく、アトピーを最短で治すにはLPSが効果的と言えます。
LPS、β-グルカン、ペプチドグリカンは相乗効果を生む
LPS単体でも効果を発揮しますが、β-グルカン、ペプチドグリカンを同時に摂取すると単体よりも強力にTh1を活性化させることが判明しています。
つまり、
LPS、β-グルカン、ペプチドグリカンは3つで1セットだと考え日頃から積極的に取り入れる方法こそが最短で免疫バランスを正常にできるということです。
最短で効果を実感するLPSの摂取方法
LPSは細菌の外側に付いている毛のような成分。
そのため土の中で育った野菜や地面から生えている海藻類、キノコ類、穀物にはLPSが付着しています。
ただ、化学肥料や農薬を使って育った食べ物は菌が死滅してしまうことからLPSそのものが減ってしまっています。
今の食べ物はほとんどが農薬を使い栽培されているため、食べ物から補う方法は現実的に厳しいと言えます。
とはいえ、海藻類は海の中にある土から育っているので農薬の影響がなくLPSが摂りやすいです。
キノコ類も比較的、LPSが多いのとβ-グルカンが含まれているので相乗効果が期待できます。
1日に摂るべきLPS量
具体的に食べるべき食材をお伝えする前に、まずはどれだけの量を1日に摂るべきかをお伝えします。
LPSの1日あたりの推奨摂取量は500μg(マイクログラム)とされています。
μgという単位は1mgの1000分の1となります。
体重1kgあたり10μgの摂取が目安とされているので体重50kgの方であれば500μg。体重70kgであれば700μgが必要量となります。
自然豊かな地域であればLPSは風に乗って空気中にも漂っています。そのため食事を意識しなくても基準値を無意識にクリアできます。
ただ都会に行けば行くほど細菌が減りLPSを食事以外で摂取することが難しくなります。
LPSそのものに毒があるわけではありませんので、過剰摂取で害があるわけではありません。
ご自身の体重に合わせて基準値以上を満たすように摂取するようにしましょう。
食材に含まれているLPS量
それでは基準値を満たすために何をどれだけ食べる必要があるのか見ていきましょう。
食材 | 摂取量 | LPS量(μg) |
大豆 | 豆腐2/1 | 3 |
精製白米 | コンビニおにぎり一個 | 4.5 |
小麦粉 | 食パン一枚 | 8.8 |
そば | 一人前 | 290 |
トマト | 中一個 | 6.4 |
レンコン | 30g | 52 |
ほうれん草 | おひたし(68g) | 15 |
カボチャ | 煮物(80g) | 0.7 |
わかめ | 酢の物(25g) | 21 |
めかぶ | 1パック(25g) | 64 |
昆布 | とろろ昆布 | 36 |
ひじき | おひたし(40g) | 120 |
岩のり | 佃煮(5g) | 50 |
なめこ | 味噌汁一杯(40g) | 18 |
シイタケ | 中2個 | 13 |
ヒラタケ | キノコ汁一杯(40g) | 430 |
ごま | ごま和え(大さじ2) | 55 |
大麦若葉 | 1包(3g) | 15 |
ケール | 青汁粉末(12.9g) | 2.6 |
クロレラ | 9粒 | 1.8 |
ノコギリヤシ | 3粒 | 1.2 |
ドクダミ | 茶パック1包(5g) | 27.5 |
どうでしょうか?
1日の基準値を満たせそうでしょうか?
個人的にはヒラタケやメカブを毎日食べるなら何とかなりそうですが、毎日となると少し無理があるという印象です。
LPSはサプリを活用しよう
繰り返しますがLPSは本体なら空気中にも漂っています。
自然がある環境なら食べ物を意識しなくても自然と目安量をクリアできます。
ところが除菌滅菌の現代社会では前提が大きく崩れています。
この状況でLPSを満たすためにはサプリを活用するのが現実的でしょう。
具体的にはハイパーLPS 500。
これなら付属のスプーン一杯で500μgを摂取できます。ご自身の体重に合わせて摂取量を調整して下さい。
この商品にはLPSだけでなく乳酸菌も含まれています。そのため相乗効果も期待できます。
粉末タイプなので僕は朝一のコーヒーに加えて摂取しています。
食べ物とサプリを組み合わせて基準値を満たす生活を心がけましょう。
継続することで免疫バランスが整います。バランスが整うのと比例してアトピーがスーッと消えていくので続けていきましょう。
まとめ
LPSを摂ることでマクロファージは細菌が侵入したと勘違いしTh1を増やす。
Th2に傾いているアトピー持ちにとってTh1を増やすことは何よりも大切。
LPSは食べ物から摂取するのは大変。サプリを活用し基準値を満たす。
継続することで免疫バランスが整いアトピー体質を変えることができる。
P.S.
LPSは口から摂取する場合と肌から吸収する場合で効果が異なります。
その辺りについてはこちらをチェックしてください。
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