トシです。
ステロイドの副作用で色素沈着にはなりません。
よくある誤解の一つに
ステロイドを使い続けると色素沈着になってしまう。
というものがあります。
何かとステロイドに対して悪いイメージがありますが色素沈着とは全く関係ありません。
今回はなぜステロイドと色素沈着が関係ないと言い切れるのか?ステロイドの副作用はどういうものがあるのか?色素沈着が起こってしまった肌を治す方法について解説します。
目次
ステロイド副作用と色素沈着は無関係!?黒ずんだ肌の改善方法を公開
黒ずんだ肌を治そうと思い脱ステを決意する人が一定数います。
ステロイド=色素沈着の原因
という考えからくるものだと思います。
ただ、ステロイドの副作用に肌を黒くする作用はありません。
色素沈着を治すためには、根本的なアトピー体質を改善し肌を掻く回数を減らすことと、色素を元に戻す栄養素(ビタミンCとビタミンE)を積極的に摂る必要があります。
後半で詳しく解説するとして、まずはステロイドの副作用が色素沈着とは無関係であることを理解してもらう必要があります。
15個のステロイド副作用
現在のところ確認されているステロイドの副作用は以下です。
1.易感染性
体の抵抗力(免疫力)が低下するために、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。投与量が多い間は、感染予防の薬(バクタ配合錠など)を飲むこともあります。日頃は、手洗い、うがい、マスク着用、人混みを避けるなどの一般的な注意が必要です。2. 骨粗しょう症(ステロイド骨粗鬆症)
骨がもろくなり(骨密度が減少し)、圧迫骨折や大腿骨頸部骨折などが起こりやすくなります。予防薬として骨を守る薬(ビスホスホネート薬)を内服します。3. 糖尿病(ステロイド糖尿病)
糖を合成する働きを高めるため、血糖が上がります。投与量が多いほど血糖は上がるので、特に投与量が多い間は、食事療法による予防が大切であり、薬による糖尿病治療が必要な場合もあります。4. 消化性潰瘍(ステロイド潰瘍)
消化管粘膜が弱くなるため、潰瘍ができやすくなります。胃酸分泌を抑制する薬や胃粘膜を保護する薬を予防的に内服します。5. 血栓症
出血を止める働きをする血小板の機能が亢進するため、血管の中で血液が固まってしまう血栓症が起こりやすくなります。予防的に血をサラサラにする薬(抗血小板薬)を内服します。6. 精神症状(ステロイド精神病)
不眠症、多幸症、うつ状態になることがあります。軽度のことが多いですが、よくみられます。ステロイド薬の減量により後遺症なしに改善します。7. 満月様顔貌(ムーンフェイス)、中心性肥満
食欲の亢進と脂肪の代謝障害によりおこります。ステロイド薬の減量により改善します。カロリー制限など食事に注意が必要です。8. 動脈硬化、高脂血症
動脈硬化を促進し、コレステロールや中性脂肪が高くなることがあります。食事に注意し、必要であれば、コレステロールや中性脂肪を下げる薬を内服します。9. 高血圧症、むくみ
体内に塩分が溜まりやすくなるために起こります。塩分を取りすぎないようにします。10. 白内障(ステロイド白内障)
白内障(視界が白く濁る)の進行を早めます。長期に内服する場合は眼科での定期的検査を行い、必要であれば点眼薬で予防します。11. 緑内障(ステロイド緑内障)
眼球の圧力(眼圧)が上昇する(緑内障)ことがあります。自覚症状はほとんどなく、眼圧を測定する必要があります。ステロイド薬投与後、数週間以内に起こり、ステロイド薬の減量・中止にて改善します。12. 副腎不全(ステロイド離脱症候群)
ステロイドホルモンはPSL換算で2.5~5mg程度が副腎皮質から生理的に分泌されています。それ以上の量のPSLを長期に内服した場合、副腎皮質からのステロイドホルモンが分泌されなくなります。そのため、急に薬を飲まなくなると、体の中のステロイドホルモンが不足し、倦怠感、吐き気、頭痛、血圧低下などの症状が見られることがあります(ステロイド離脱症候群)。自己判断で急に内服を中止しないように注意が必要です。13. ステロイド痤瘡(ざそう)
「にきび」ができやすくなります。ステロイド薬の減量により改善します。14. 大腿骨頭壊死(無菌性骨壊死)
大量投与でごく稀に起こることがあります。多くの場合、ステロイド薬投与後、数ヶ月以内に、股関節の痛みで発症します。早期発見が大切です。15. その他
増毛、脱毛、生理不順、不整脈、ステロイド筋症、などが見られることがあります。いずれもステロイド薬の減量により改善します。
こちらでも詳しく解説しているで参考にどうぞ。
さて、色々と副作用があることは確かです。
ただし、色素沈着になるという事例は報告されていません。
その他の症状に関してもステロイドを止める。もしくは量を減らすことで症状が治るものばかりです。
ステロイドは怖い薬と思われがちですが、炎症が酷い時は使ったほうがいいです。そうしないと仕事や日常生活を送れない時もありますから。
なぜ色素沈着の原因がステロイドだと誤解されるのか?
誤解される理由は
- ステロイドには副作用が沢山あるイメージが染み付いているから
- 炎症が治まることで色素沈着が目立つから
この2つです。
ステロイドには副作用が沢山あるイメージが染み付いているから
ステロイドは危険な薬だと思われがちです。
このあたりはアトピー治療でボロ儲けしようと企んだ悪徳業者も絡んでいるのですが、今は触れないでおきます。
世間的に副作用が沢山ある薬というイメージが強いと、何かあった時に真っ先に疑いの目を向けられてしまいがち。
その結果、色素沈着はステロイドのせいだと広まった可能性が高いです。
炎症が治まることで色素沈着が目立つから
肌が炎症を起こすと一時期的に茶色っぽい色になることがあります。
この状態でステロイドを使い炎症だけを抑えると、茶色の色素だけが一時的に肌に残ります。
その結果、ステロイドで色素沈着が出てしまったと勘違いするケースも多いです。
炎症による色素沈着に関しては、徐々に色が戻るので不安になることはありません。
どうして色素沈着が起こるのか?
そもそも、なぜ色素沈着が起こるのでしょうか?
答えは、
『刺激から肌を守るため』
です。
体の仕組みとして、紫外線など肌への刺激が続くと日焼けやシミができます。
こうすることで、紫外線が肌の内部へ侵入するのを防ぎます。
アトピーの場合、肌を掻くことが刺激になっています。
そのため掻く回数を減らすことができれば、肌への刺激が減るので自然と元の肌色に戻ります。
「痒みが我慢できないから悩んでいるんだよ!」
と思うかもしれませんが、根本的なアトピー体質を改善する方法はあります。
そのあたりに関しては、こちらを参考にしてください。
1日でも早く色素沈着をなくす方法
アトピー体質を改善することで、徐々に色素沈着は改善されます。
ただ、人によっては半年、一年とかかる場合もあります。
なるべく早く肌を回復させたいですよね。
回復を早める方法はあります。
それは、
- ビタミンC
- ビタミンE
この2つの栄養素を積極的に摂ることです。
ビタミンCは色素沈着の黒色のもとメラニン色素という部分を元の肌色に戻す作用があります。ビタミンEに関しては、メラニン色素を体から追い出す性質があります。
この2つのビタミンを組みわせることで、より早く色素沈着を改善することが可能です。
オススメの食べ物やサプリに関してはこちらをチェックしてください。
ステロイドと上手に付き合おう
色素沈着が嫌でステロイドを止めようと考えてしまいがちですが、脱ステしても色素沈着が治るわけではありません。
ステロイドは火を消す消防士のような存在。
いきなり止めると更に大きな炎となり体を傷つけます。
炎症が出ている時はステロイドに頼ってもいいので肌を元に戻しましょう。
ステロイドを使っていれば、ひとまずは日常生活は送れるはずです。
僕自身、脱ステを何回も経験しているのでわかりますが、絶望感が尋常じゃないです。
肉体的な痛み、精神的ストレス。
とても何かをする気になれません。
その精神状態ではアトピーを治す気力も湧きません。
まずはステロイドで炎症を軽くこと。そこから徐々に減らしていけばいいのです。
まとめ
色素沈着とステロイドは無関係です。
この誤解が起こる原因はステロイドの怖いイメージと掻くことで一時期的に茶色く変色する肌にあります。
薬は使い方を間違えなければ便利な道具であることに変わりありません。
上手に活用して最終的にステロイドに頼らずに日常生活を送れるように目指していきましょう。
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