トシです。
オメガ6はTh2を増殖させます。
免疫学からアトピーを見るとT細胞のアンバランスが炎症を引き起こしています。
T細胞のバランスが正常に整うと体は無害な成分に過剰に反応しなくなります。
つまりアトピー完治です。
バランスを整えるアプローチはいくつかあります。
今回はその中でもTh2の異常増殖を防ぐ方法を解説します。
例えば船底に穴が空いている状態では、バケツで懸命に水をかきだしても無意味です。まずは空いている穴を塞ぐ必要があります。その後に残った水を出せば良いです。
アトピー治療も同じ。
まずは根本的な体質を変えましょう。
目次
【根本原因】オメガ6はTh2を増殖させアトピーループを引き起こす
免疫学においてアレルギーの原因は免疫バランスが崩れている考えが定説となっています。
これを衛生仮説と言います。
詳しくはこちらの記事で紹介しているので、ここでは簡単に解説します。
衛生仮説とは衛生的な環境ほどアレルギー疾患が増えるというもの。
これは清潔で衛生的なほど細菌が少なく、それゆえに細菌を駆除する免疫機能が正常に機能しない状況が続いてしまう。
免疫機能が機能しないことで、本来は無害な成分に過剰反応してしまう。
つまりアトピーなどアレルギー症状が出やすくなるということ。
この状況を抜け出すには免疫を正すしかありません。
アトピーはTh2が異常発生している
少し専門的な話になりますが免疫に関係している細胞にT細胞があります。
この細胞は主に2つに変化します。
一つはTh1。もう一つがTh2。
Th1は細菌を駆除する役目。
Th2はカビや花粉、ダニなどのアレルゲンを駆除する役目です。
T細胞がTh1になるのかTh2になるのかはマクロファージと呼ばれる細胞が決めています。
マクロファージは侵入者によって分泌する成分を変えています。
この分泌する成分の違いによってTh1になるのかTh2になるのかが決定します。
具体的にはインターロイキン12(IL-12)という成分であればTh1。プロスタグランジン(PGE2)であればTh2となります。
少し難しいので図で解説するとこうなります。
アトピーなどのアレルギー疾患はTh2が担当しているアレルゲン機能が過剰に働いています。
Th2は本来『体に害のある』アレルゲンに対してアレルギー反応を出す機能です。
この機能が過剰に反応してしまうことで、体に害のないダニや花粉に反応していることです。
なぜTh2過剰に働いているのかと言うとシンプルにTh2が異常発生しているから。
Th2の量が増えれば通常以上に働きが活発化するのは当然です。
「どうしてTh2は増えてしまうのですか?」
と言うと体内にプロスタグランジンが多いからです。
先ほどの図をもう一度見てください。
Th2はプロスタグランジンによって生まれます。実はプロスタグランジンという成分はマクロファージだけが分泌するものではありません。
つまり
マクロファージだけが分泌する方法以外に日常的にプロスタグランジンを体内に蓄積されているとTh2の生成を促進してしまうということです。
プロスタグランジンは植物油から生まれる
油とアトピーのテーマを理解された方は察していると思いますがプロスタグランジンという成分は植物油(オメガ6)が元となって生まれる成分です。
詳しくはこちらにまとめているのでチェックしてください。
体内に入ってきた植物油(オメガ6)はリン脂質→アラキドン酸→プロスタグランジンとなります。
日頃から植物油(オメガ6)を摂ることはプロスタグランジンを増やすことを意味します。
プロスタグランジンそのものも炎症成分なのでアトピーを悪化させますが、Th2を増やすこととなるので余計にアレルギー症状が促進されます。
体内にプロスタグランジンが大量にあるうちは、Th2が異常増殖する負のループから抜け出せないのです。
「いやいや植物油なんて摂ってませんよ!この理論は嘘っぱちだ!」
と思うかもしれませんが植物油は全ての加工食品に含まれていますし、許容量が少なくすぐに過剰摂取になりやすいという特徴があります。
詳しくはこちらの記事にまとめているのでチェックしてください。
つまり、
植物油ほど現代人が無意識に摂りすぎている成分はない
ということ。
Th2の異常発生を減らすにはオメガ3が必要
Th2を促進させるプロスタグランジンはオメガ6から生まれます。
そのため日頃からオメガ6を減らすことは大切です。ですがそれと同じく大切なことはオメガ3を増やすこと。
オメガ3はプロスタグランジンが分泌される手前でブロックする作用があります。
日頃からオメガ3を摂取することでプロスタグランジンが体内に作られる量をコントロールすることができます。
Th2の異常発生を防ぐ2つのポイント
Th2はプロスタグランジンによって生まれます。プロスタグランジンはマクロファージから分泌される場合とオメガ6から作られる場合があります。
現代人は食事からオメガ6を摂りすぎているため体内にプロスタグランジンを溜め込んでいます。
ここを正常にすればプロスタグランジンの大量発生は防げます。
そうなると食事内容の見直しが大切になってきます。
具体的には
- オメガ6を意識的に減らすこと
- オメガ3を意識的に摂取すること
この2つです。
オメガ6を意識的に減らすこと
まず理解して頂きたいのが、僕達の日常生活はオメガ6に囲まれているということ。
オメガ6は植物油のことなので、炒め物や揚げ物だけを気をつければ良いのでは?と思いがちです。
もちろんその通りです。
ただ、それ以外にも加工商品には『食用植物油脂』や『植物油脂』という名前で植物油が使われています。
おにぎりの艶出しやドライフルーツ、鮭フレークにも植物油は使われています。
意識して原材料をチェックしないと簡単に許容量オーバーとなるでしょう。
なので必ず原材料名に『食用植物油脂』や『植物油脂』という記載がないかチェックする癖をつけましょう。
また調理をする際に使う油も植物油がほとんどかと思います。その状態だと体内のプロスタグランジンが一向に減りません。
調理をする際はオリーブオイルもしくはバターやラードを使うようにして下さい。
バターやラードなどの動物性脂肪にはアラキドン酸と呼ばれる脂質が含まれています。
これもプロスタグランジンを生み出すきっかけになり得ますが植物油よりも大分マシです。
なぜなら市販の植物油は油のみを濃縮した存在だから。
同じ油の量を食べ物から摂ろうとすると大量に食べないといけないところが、油であればスプーン一杯で摂取できてしまいます。
理想はオリーブオイルです。オリーブオイルの油はオメガ9というカテゴリーでアトピーの炎症とは無関係です。
オリーブオイルについてはこちらにまとめているのでチェックして下さい。
オリーブオイルは苦味などの癖があるので、難しいようならバターやラードを適量使うようにしましょう。
オメガ3を意識的に摂取すること
プロスタグランジンをブロックする作用のあるオメガ3。
現代人は積極的に摂るべき油です。
オメガ3はDHAやEPAのことなので魚に多く含まれています。この油は熱に弱い性質を持っています。
そのため新鮮な状態で体内に入れる必要があります。
新鮮ではない状態のことを酸化した油と表現しますが、この状態でオメガ3を摂取すると逆にアトピーを悪化させる要因となります。
理想的な摂取方法は刺身。
ですが継続が難しい部分もあるかと思います。なので缶詰を活用する方法をおすすめします。
DHAやEPAが豊富に含まれている魚は青魚に多いです。
サバやアジ、イワシなどを食べるのが良いでしょう。
もし魚が苦手であったり缶詰でも継続が難しいのであればサプリも活用しましょう。
サプリのオメガ3が酸化しているのはどうかは誰にも分かりません。
そのためクリルオイルのサプリがおすすめです。
クリルオイルはオメガ3を含みつつ酸化しにくい特徴があります。
これなら安心してオメガ3を摂取できます。
AmazonとiHerbのどちらでも手に入るのでチェックしてみて下さいね。
まとめ
免疫学から見たアトピーはTh2の異常発生が原因。Th2を正常にすることでアトピーは治せます。
Th2はプロスタグランジンが多いと異常発生します。プロスタグランジンはオメガ6から生まれます。
日頃からオメガ6を控えつつプロスタグランジンをブロックしてくれるオメガ3を積極的に摂取するようにしましょう。
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